テニプリキャラとクリスマスのディズニーへ行こう! ―― 赤也(ランド)ver.





「ちょっ,おい,何泣いてんだよ〜俺,なんかした?したんならはっきり言ってくれって〜」


ここで泣いたらぶち壊しだって分かってるのに,めんどくさい女とか思われるかもしれないのに,涙は流れてくる一方で,止まらなかった。
クリスマスに片思いの人とディズニー来れるなんてめっちゃ幸せ者なのに,アトラクションいっぱい乗って,パレード見て,いろんなキャラクターとグリーティングして,チュロス食べてポップコーンいろんな味を試して,ほんとすごい楽しかったのに,何わけわかんない理由で泣いてるんだろ。


好きって言いたいのに,言えない。


ふいに赤也が抱き締めてきた。びっくりして,ドキドキが止まらなくなって,


「俺,全部聞いてやっからさあ,言ってみろって。な?」


でも赤也の温かさで,どんな温かいスープとか飲み物よりも温まったから,勇気を出して,私もふわっと抱きしめてみた,そして,言ってみた。


「今日ね,絶対に言いたい,って思ってたことがあったのにね,ぜんぜん言えなくて,それで‥」
「はあ?!ちょ,ちょい待ち!ちょっ」


見上げると,驚いて,その次は顔を真っ赤にして,怪人二百面相みたいに表情がコロコロ変わってた。しばらく泳ぎまくっていた目が,覚悟を決めたみたいな顔をして,私をまっすぐと見た。大好きな赤也のきれいな瞳が,くっきりと私を映し出した。


「俺とお前の言いたいことが一緒かわかんねぇけど,俺もずっと言いたかったのに,言えなかったことがあって‥。こういうのは,男から言うもんだって俺は思うわけで,その――」


いつもみたいに,思ってることははっきり言うのかと思ったら,ええっと,とか,その,とか,顔を真っ赤にして言ってたから,何だかすごく可愛く思えて,赤也の手をぎゅっと握りしめた。


「お,おい,‥」


びっくりしていたようだった赤也も,私が赤也の目を見てにこりと笑うとあの大好きないたずらっこみたいな笑顔で「へへっ」と笑った。赤也の手はびっくりするくらい冷たかったけれど,この氷みたいな手と,そこから伝わってくる赤也の温かさで十分,


(言葉なんて,いらないね)







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